皆様は演劇や劇団と聞いて何を思い浮かべますか?
世の中の大半の人が演劇と聞けば『劇団四季』を思い浮かべると思います。
もしかしたら、世に存在する劇団は劇団四季以外知らないと答える人が多いのかもしれません。
劇団四季は、テレビや東京の山手線内のビジョンでもコマーシャルを流しているいわば企業でいえば大手と言われているところです。
しかし大手の企業があれば中小企業もあり、様々な形態やジャンルもあります。
スポーツで例えるならばメジャーなもので野球もあればサッカーもあります。
日本において知名度は低いですがカバディやクリケットなどもスポーツとして認定されてます。
舞台や演劇においてもそうで、派手なアクションものから静かな日常ものまで様々なジャンルが存在するのです。
今回は演劇、舞台においてのジャンルをあくまで個人的な目線で大まかに道楽ジャンルをふりわけていきたいと思います。
もしも舞台を観に行く機会があれば参考にしていただけたら幸いです。
舞台のジャンルわけはスポーツと一緒?
いきなり意味がわからないかもしれませんが、舞台のジャンルわけはスポーツで考えると非常にわかりやすいです。
バスケットとスキーを比較するととてもわかりやすいのですがこの二つのスポーツはルールや性質が全くことなります。
スポーツの種類ほど多いとはいいませんが演劇や舞台にも種類ごとにやり方、様式美なども異なったりするのです。
音楽でも激しいハードロックな音楽から静かなバラードまであるように絵画なども風景画や前衛芸術まであります。
クオリティーとしてのあたりはずれはありますが、これを機会に劇団四季意外にも演劇や舞台が存在するということを知ってもらいたいと思い記事にまとめました
ミュージカル系のお芝居
ミュージカルという言葉はみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
馴染みの深い最もわかりやすいカテゴリーをあげてみました。
個人的な主観ではありますが劇団四季がミュージカルに特化しているのではないかと思っております。
最たる特徴として、はじめて観る人はびっくりするかもしれませんがいきなり歌って踊りだします。
好き嫌いがわかれるジャンルではありますが、ミュージカルが嫌いな人の意見としてはこの急に歌って踊りだすというところに抵抗がある人が多い気がします。
ちなみになぜ歌うのかというと気持ちの高ぶりを歌とダンスで表現しております。
ある種のルールにすぎないので
「サッカーはどうしてボールをゴールにいれると得点になるのか?」
「野球はダイヤモンドを一周してホームベースを踏むとなぜ得点になるんだ?」
と言っているのと変わらないので、仮に好きになれない場合はもう好きになれないジャンルかもしれないです。
能に関しても劇中に舞がはいりますが、それと同じなのです。
ダンスは少な目ですが、諸々劇中歌を挿入している「宝塚歌劇団」というところもあります。
日常系のお芝居
こちらの日常系のお芝居は「青年団」が発祥と言われております。
現代日本の日常生活の一部をきりとって舞台で表現しております。
もともとの理念は例えば日々の日常で部屋でリラックスしている姿などを周囲の観客が観ていたら人間にとって最もリアルな姿ではないか?
そのリアルな姿が面白いというコンセプトをもとに舞台化に至りました。
それまでの流れとしては舞台といえば非日常の世界観、非日常の表現が多かったので、こうした日常のワンシーンをきりとる舞台は新鮮だったのではないかと思います。
学芸会などではよくツラ(観客)側に顔をむけてお芝居しなさいと言われます。
理由としてはお客さんに顔がみえないからなのですが、
学芸会だけではなくそれまでのお芝居の形態がある程度大きな発生で観客のほうに顔をむけてお芝居をすることが主流だったのです。
その中で観客に背中を向けてお芝居をするという表現がでてきました。
ひたすら人間の行動においてのリアルさを追求します。
人間にとってのリアルさを追求するので演じる側としてはとても大変です。
とにかく演技に自然さが求められます。
劇団によりますがストーリーがわかりづらいということは少なく思います。
お客さんからみた場合、淡々と日常が進んでいくので非日常感は体験しづらく、比較的盛り上がる構成は少ないのでカタルシスは感じにくくはなっております。
いいか悪いかはともかく盛り上がりに欠ける場合が多いのでコンディションによっては眠くなったりする場合があります。
2・5次元系、ファンタジー系のお芝居
有名なところでいえば劇団新感線がよく上演しております。
こちらはアニメやファンタジーに近い作品が多いこととストーリーがわかりやすいために、非日常感が色濃く反映されています。
勧善懲悪ものが多いために観ていて清々しいと思います。
メインどころに美男美女がキャスティングされることが多いために観劇をする際は比較的観やすいジャンルではあります。
役柄によってファンもつきやすいジャンルですが、コンテンツとしてしっかり作っていないと安っぽくなり、悪くいえばヒーローショーのような感じになってしまいます。
普通のテンションで言うには恥ずかしい台詞が多いために演出家や脚本家や役者がしっかり組み立てていかない中身の薄い作品になりがちです。
観劇する側としてはあたりとはずれが明確に別れるジャンルかもしれませんね。
コメディ系のお芝居
こちらはわかりやすくお笑いに特化したジャンルです。
ネタで笑わせたりシチュエーションなどで笑わせるというお笑いの種類によってわかれたりしますが、
基本的には劇中のストーリーのところどころに笑わせる仕掛けがちりばめられております。
役者の技量が問われることと、向き不向きもあります。
お笑いに関しては天性のものが必要だったりするので稽古段階から多くの役者が苦戦するジャンルといえるでしょう。
その他のジャンル
まだまだ色々ありますので、その他のジャンルを紹介していきます。
自分が中々観ないジャンルではあります。馴染みの無いジャンルもありますが、それぞれ独特の面白さがあります。
時代物、古典
時代物は戦国武将を主人公とした作品や三国誌などがこちらにあたります。
古典というものはシェイクスピアの作品やギリシャ悲劇などがこちらにあたります。
既存の台本を使用するために、あらかじめどんなストーリーか確認してから観にいくと観劇しやすいのではないかと思います。
ロミオとジュリエットやマクベスなど演出家の解釈によりけりですがそのまま上演される場合と、現代版やパロディなど設定をもじって変更して上演するパターンもあります。
アンダーグラウンド演劇
俗に言うアングラと呼ばれる演劇です。
こちらも細分化した場合色々とありますが、総じてストーリーや台詞まわしは非常にわかりづらいことが多いです。
ですが表現に迫力やパワーがあるので癖になる人は癖になります。
独特な表現手法なので演劇というよりも芸術(アート)を観る感覚で観にいった方がいいかもしれません。
8割の確率で明るい気持ちにはなれないお芝居が多いのも特徴です。
不条理演劇
代表的な作品はベケットの「ゴドーを待ちながら」などがあります。
登場人物は2人でゴドーという人物を益体の無い話をしながらひたすら待つお話ですが、最終的にゴドーは現れずに終演してしまいます。
これには様々な説がありますが、ゴドーという人はいったい何だったのかわからないまま終わるためにかなりもやもやします。
今までの演劇という起承転結の概念を覆しております。
歌舞伎、能、狂言
少し畑が違いますが、所謂日本の伝統芸能と呼ばれております。
僕の場合ではありますがジャンルごとに細かいルールや様式美がありますので全部覚えるのは酷ですがすこしばかり知っているほうが楽しめるかもしれません。
既存のお話を上演する場合がほとんどなので軽く物語を頭にいれておくだけでもおすすめしておきます。
今回は自分目線で大まかにまとめてみましたが、演劇というものはもっともっと細かいジャンルがあります。
それこそ同じ野球でも硬式野球と軟式野球の例えのようにジャンルは多岐にわたっております。
その劇団特有の表現なども含めると劇団の数だけ表現があると言っても過言ではないかもしれないですね。